生きる
生きることの
むつかしさ
生きることの
ありがたさ
生きることの
うつくしさ
まかせきって
生きることの
よろこびに
燃えよう
ー坂村真民「生きる」
<解説>
この詩は、昭和42年、真民が58歳の時に書いた詩ですね。
県立高校を退職して、新田高校の講師として、新たな出発をするため、松山に引っ越してきた頃ですね。
「まかせきって生きる」というのは、仏さまにすべてを任せて、あれこれ悩んだりしないで、守られて生きることの、喜びに燃えて、生きることですね。
生きることは、むつかしい。でも、生きている、ありがたさに感謝して、生きる、ということが、真民の生き方の中心にあったのですね。
砥部町立坂村真民記念館
館長 西澤孝一
開館10周年記念特別展
砥部の砥石で己れを磨け
〜97年の生涯を生き切った坂村真民の生き方〜
2022年3月5日(土)〜2022年8月28日(日)
坂村真民記念館
ー坂村真民ー
1909(明治42)年、熊本県玉名郡府本村(現・荒尾市)生まれ。本名、昻(たかし)。
八歳の時、父親が急逝し、どん底の生活の中、母を支えた。
神宮皇學館(現・皇學館大学)卒業後、熊本で教員となり、その後、朝鮮に渡って高等女学校、師範学校の教師に。
終戦後、愛媛県に移住し、高校の国語教師を勤めながら詩を作り続けた。毎月詩誌「詩国」を発行し無償で全国の読者に届ける。
58歳の時、砥部町に定住し、65歳で退職後は詩作に専念。
2006(平成18)年、97歳で永眠。
一遍上人を敬愛し、「タンポポ堂」と称する居を構え、毎日午前零時に起床。夜明けに重信川のほとりで地球に祈りを捧げるのが日課であった。
飾らない素朴な言葉で人生を歌い続け、その詩の数々は、多くの人に優しさや勇気、そして希望を与え続けている。さらに、慈しみの心にあふれた人柄や生き方は、老若男女幅広い層から支持されている。
(写真は90歳のときのものです)
ー坂村真民記念館 館長 西澤 孝一(にしざわ こういち)ー
(プロフィール)
愛媛県庁職員退職後、坂村真民記念館開館から館長に就任。真民の家族として最後を看取った。
(著 書)
「天を仰いでー坂村真民箴言詩集」(編集)(2019年、致知出版社)
「かなしみをあたためあってあるいてゆこう」(2017年、致知出版社)
「自分の道をまっすぐゆこう」(監修)(2012年、PHP研究所)
坂村真民記念館: 愛媛県伊予郡砥部町大南705
(TEL:089-969-3643)
(FAX:089-969-3644)
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