真民さんからの言葉 第二十七回「くりかえし」


くりかえし



 


いつも日は昇り

いつも日は沈む


そのくりかえしの

なんと新鮮で

美しいことだろう

なんと荘重で

尊いことだろう



ー坂村真民「くりかえし」



<解説>


この詩は、真民が82歳の時の詩ですね。

太陽は、朝日として昇り、夕日として沈む、ということを、毎日同じようにくりかえしているのですが、真民は、これを新鮮で美しい、と感じているのですね。

「くりかえし」の中に、新鮮さを見つける、この気持ちが、真民の生き方にも影響しています。真民は、毎日こつこつと詩を書くことだけを、繰り返すという生き方を、最後まで貫いた人間ですが、その日常の中に、新鮮さと感動をいつも求めていました。

そして、その一つのことを「くりかえす大切さ」を、真民はこの詩の最後で、「そのくりかえしの、なんとそうちょう荘重で尊いことだろう」、という言葉で表現しているのですね。

坂村真民という詩人の、生き方を考えるときに、私は、この「くりかえし」と、「つみかさね」という言葉が、キーワードになると思います。



砥部町立坂村真民記念館

館長 西澤孝一



 




開館10周年記念特別展

砥部の砥石で己れを磨け

〜97年の生涯を生き切った坂村真民の生き方〜


2022年3月5日(土)〜2022年8月28日(日)


坂村真民記念館





 


ー坂村真民ー


1909(明治42)年、熊本県玉名郡府本村(現・荒尾市)生まれ。本名、昻(たかし)。

八歳の時、父親が急逝し、どん底の生活の中、母を支えた。

神宮皇學館(現・皇學館大学)卒業後、熊本で教員となり、その後、朝鮮に渡って高等女学校、師範学校の教師に。

終戦後、愛媛県に移住し、高校の国語教師を勤めながら詩を作り続けた。毎月詩誌「詩国」を発行し無償で全国の読者に届ける。

58歳の時、砥部町に定住し、65歳で退職後は詩作に専念。

2006(平成18)年、97歳で永眠。

一遍上人を敬愛し、「タンポポ堂」と称する居を構え、毎日午前零時に起床。夜明けに重信川のほとりで地球に祈りを捧げるのが日課であった。

飾らない素朴な言葉で人生を歌い続け、その詩の数々は、多くの人に優しさや勇気、そして希望を与え続けている。さらに、慈しみの心にあふれた人柄や生き方は、老若男女幅広い層から支持されている。

(写真は90歳のときのものです)



 


ー坂村真民記念館 館長 西澤 孝一(にしざわ こういち)ー


(プロフィール)

愛媛県庁職員退職後、坂村真民記念館開館から館長に就任。真民の家族として最後を看取った。


(著 書)

「天を仰いでー坂村真民箴言詩集」(編集)(2019年、致知出版社)

「かなしみをあたためあってあるいてゆこう」(2017年、致知出版社)

「自分の道をまっすぐゆこう」(監修)(2012年、PHP研究所)


坂村真民記念館: 愛媛県伊予郡砥部町大南705 

(TEL:089-969-3643)

(FAX:089-969-3644)